ルーブルとペルシャ

とっても暑い一日。最終日である「ルーブル展」もとい「マルス」みたさに、がんばって朝から上野へ行く。そして「ペルシャ文明展」も。

 で、まずルーブル。案の定大行列だったけど(昼間だったら熱中症になりそう)思ったよりそれほど待たずに入場できた。館内もごった返していて、彫刻のみなさんもびっくりしていたことでしょう。夏休み課題対策鑑賞の親子連れなどもいらして、さっさと目当ての展示室に移動する。
 
 しかし「アレス」なのである。しかも全身像で、胸像である石膏デッサン界でおなじみのマルス像とはちがう。高校時代に一通りの石膏像はデッサンしたはずながら、こんなだったっけ?と思う。顔つきは記憶通り、髪型と肩のへんとヘルメットの感じはそんなだったように思うけど、ヘルメットに犬っぽい動物がついていて、学生時代の私なら、絶対にそれで「ばうばう」なんていたずら書きに利用してるに違いないのだが、その記憶もない。

 以前、フィレンツェでおなじく石膏像ブルータスのホンモノをみたが、それは案外そのまんまだった。でも、このマルスと思って早起きしてきたけど「アレス」だった人は、大理石の質感がやわらかそうで、石膏像でおもっていた力強さより、美しさの方がおおきい。もちろんいにしえの大理石彫刻と、型抜きで小汚くなった石膏像という質感の差は十分に考慮したとしても。カタログ見本を見ても「アレスはマルスにあらず云々」とあり、自分の記憶もさだかではなくなってしまった。・・・のだが、やはりそれは、私が昔デッサンした「マルス像」の原型だった(らしい)。しかしギリシャ神話ではアレス、ローマ神話ではマルスということなんだろうが、なぜ石膏デッサン界では「マルス」で通していたのか、疑問におもった。

 私としては、とりあえず目当てのマルスじゃなくてアレスもみたし、ついで古代ギリシャの器の名称の違いがけっこうわかったので(みんなアンフォラって言うのだと思ってたら、それはちがうと先日イタリア語教室で聞いていたのもあり興味があった)、もうそれで満足して早々に会場をあとにした。

     *    *    *

 そして、都美館に行き「ペルシャ文明展」をみる。ちょうど友達から借りた「ペルセポリス」という同世代のイラン人女性による半生伝的なコミックを読んでいたので、私にはとてもタイムリー企画であった。そのコミックを読んでいても、そのへんの歴史地理に疎かった私は、世界史の本やら世界の宗教辞典やらをみつつ混乱していたのだった。

 そして、展示品はどれもすばらしく、とりわけ壺や動物型の土器類に目を奪われたのでありました。とってもいい。友人と一緒に展覧会を見ながら「この展示品の中でどれか一つもらえるとしたらどれもらう?」的な遊びをよくするのだけど、今回は欲しいものがたくさんで迷ってしまう状態だった。もちろん、何ももらえませんが。しかも館内はルーブル展に比べたらガラガラだし、ゆっくり堪能出来てカタログまで買ってしまった。

 しかしそのコミックを読んでいて、戦火に疲労し尽くしたその国で、これだけの世界的財産を保存していくのは大変なことだったろうと思うのである。それこそルーブル美術館のようなところの収集品の一部は「戦利品」である一方、だからこそきちんと修復され管理されている事実も見逃せない。歴史と現代が切り離されて、古代文明の土地が、いまは戦争でボコボコになってしまっている。というか世界的事情のしわ寄せで戦争がそこに追いやられてるのかもしれない。なんて「ペルセポリス」を読むと思ったりするのだった。もちろんそのコミック自体にはそんな疲労感はによわせつつも悲壮感はなく、パワフルな女の子ストーリーであった。

 そういうわけで、あっつい毎日ですが、ウェブサイトfantafonte.com もこっそり更新しました。

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